キングダム29巻

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目次

 

 

十五日目の午後  

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函谷関の裏側へと続く断崖へと
辿り着いたオルド率いる燕軍は
絶壁を物ともせずよじ登り始める。

 

しかし、その背後には山中へと消えたはずの
王翦軍が待ち構えていた。

 

断崖をよじ登り無防備になった燕軍の
背中に無数の矢が飛来する。

 

突然の奇襲に燕軍の兵は動揺する。

オルドもまた得意とする山岳戦で
背後を取られたことに驚くが、
王翦が開戦当初からこの場所に
兵を伏せていた事に気づき歯噛みする。

 

王翦は敗走を始める燕軍の中から
大将であるオルドの姿を捉える。

 

そして配下にオルドを殺さずに
生け捕りにするよう指示を出す。

 

任を受けた孟龍がオルドに突撃するが
一合も交えぬうちに首をはねられてしまう。

 

結局、王翦はオルドを取り逃がしてしまうが
オルドの選りすぐりである八千の山岳兵を
全滅させることに成功する。

 

燕軍の残党は本陣まで下がるが
その時、王翦の軍は再び姿を消していた。

 

山の中で敵を見失う事は危険であるため

深追いはせず、代わりに空になっていた

王翦軍の砦を占拠する。

 

これによって王翦軍も手出しができなくなり

戦況は膠着状態へと突入する。

 

李牧が決戦の日と指定した十五日目だったが

半日を過ぎて燕軍は膠着状態、

函谷関を攻める魏と韓の軍は次々と城壁に上り

城壁の裏側まで達していた。

 

趙軍と戦う麃公たちはどちらも譲らず

一進一退の状況を繰り返し、

楚軍の戦場では総大将である汗明と蒙武、

媧燐と騰の戦いが始まっていた。

 

中でも李牧、昌平君の両参謀が重要視する

楚軍との戦いが佳境に近づいていた。

 

騰の本陣へと襲いかかる媧燐の軍勢を

蒙恬、王賁の若い二人の奮闘が支え

なんとか陥落を免れていた。

 

疲れが見え始めた蒙恬を騰がサポートすべく

前線に出て休むための時間を稼ぐ。

 

騰が前線に出てきたのを見た媧燐は

上官である臨武君を殺されて復讐に燃える

項翼に五千の兵を与えて突撃を命じる。

 

項翼が出撃準備に移って間もなく

媧燐は静かに立ち上がり準備を始める。

 

 

五千将・項翼

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急遽、五千将に命じられた項翼は

兵たちを鼓舞して士気を高める。

 

同僚の白麗は項翼の才能を認めつつも

五千将という役割はまだ早く、

さらに急造の軍ということで

まともに機能しない事を危惧する。

 

そんな心配を他所に項翼軍は突撃し

敵にぶつかる前に軍を散開させる。

 

そして将として名乗りを上げ

自分の居場所を秦国の兵たちに知らせる。

 

騰はそれが誘いと知りつつも

散開した五千の軍勢が本陣に向かうのを

阻止するために自ら項翼の首を獲りに行く。

 

項翼は愛刀である莫邪刀を抜くと

近寄る騰の配下を切り伏せる。

 

そして続けざまに騰と刃を交え

その動きを止める事に成功する。

 

騰は本陣に群がる敵を背後から奇襲する

役割を担っていたので、これによって

本陣の守りは厳しいものになる。

 

加えて、項翼が率いた五千の兵も

本陣攻めを始めることで一気に

騰軍を壊滅させる作戦だった。

 

本陣の守備が危ういと見た蒙恬は

休息して間もない状態にもかかわらず

すぐに出撃をしようと準備を始める。

 

だが、そこへ媧燐が自ら兵を率いて

姿を現す。

 

これを見た騰は媧燐を討つために

一度本陣へ退こうと考える。

 

しかし、媧燐は騰軍には近寄らず

本陣を守る方陣を崩そうと

突撃を開始する。

 

 

媧燐軍の突撃

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媧燐の軍が騰の配下である隆国が守る

方陣に襲いかかる。

 

速さはないものの屈強な兵を持ち、

焦らずじっくりと突き進んでくる媧燐軍に

秦国軍は危機を迎える。

 

そこで隆国は一計を案じ、

元王騎軍の中でも精強を誇る太呉の部隊に

媧燐軍の側面を奇襲するよう命じると

一気に媧燐を討ち取ろうと画策する。

 

しかし、媧燐の周囲を固める精鋭部隊は

予想を遥かに超える強さを秘めており、

太呉の部隊は一歩も侵入できなかった。

 

さらに白麗の部隊が弓兵を率いて

援護に駆けつけたことで側面からの奇襲は

失敗に終わってしまう。

 

すでに方陣の奥深くまで侵入していた

媧燐軍を見た蒙恬はすぐさま救援へ向かう。

 

だが、方陣が破られるよりも前に

媧燐の背後へ騰軍の残党が襲いかかる。

 

それは戦象部隊と戦い、乱戦の中に取り残された

録嗚未と干央の部隊で、媧燐軍もすでに討ち取った

ものと思い込んでいた。

 

さらに王賁の部隊も媧燐軍へと攻めかかり

秦国軍の主だった将が大将の首を獲ろうと

集まり始めていた。

 

それを察した媧燐は戦場を別の場所へ

移すことを考える。

 

 

汗明への道

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汗明の軍と対峙した蒙武は斜陣がけという

高等戦術を駆使して攻撃を開始した。

 

最初こそ威力を発揮した斜陣がけだったが

汗明配下の貝満と剛魔諸の精鋭部隊が

要所を守ったために勢いは完全に失われた。

 

楚軍は蒙武の作戦は完全に失敗したと見て

慣れない策を用いた事を嘲笑する。

 

だが、蒙武は全て昌平君も作戦通りと

一切の動揺を見せずにいた。

 

昌平君はもともと楚国の出身であることから、

楚軍は大国としてのメンツを重んじるため

堂々と横陣を敷くと読んでいた。

 

そのため、斜陣がけが最も威力を発揮するよう

斜陣の左右の兵力を多くする配置が

取られていた。

 

結果、楚軍は左右の対処に兵を割くことになり

自ずと中央の守りが薄くなっていた。

 

そこへ蒙武の本体が襲いかかり、

一気に汗明を落とすというのが作戦の全貌で

正に昌平君が想定した通りのシチュエーションが

出来上がっていた。

 

蒙武は周囲の兵を鼓舞して士気を最高に高めると

汗明をめがけて突撃を開始する。

 

それを見た汗明は策としては上出来と褒めつつ

全員が蒙武並みの巨躯を持つ巨暴大騎兵団を

前線に投入し迎撃の構えを見せる。

 

だが、蒙武はそれを物ともせずに蹴散らし

敢然と汗明の元へ突き進む。

 

秦国軍が取ったこの作戦は後戻りができず、

失敗すれば戦の勝敗にも大きく影響するため

必ず汗明の首を落とす必要があった。

 

その責任を負った蒙武はかつて無いほど

猛り狂うのだった。

 

 

至強

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迎撃に来た巨暴大騎兵団を突破した蒙武は

目前に迫る汗明を目掛けて進撃を開始する。

 

隣の戦場にいた媧燐は蒙武の元へと

進軍を開始していたが蒙武が打って出たのを

目撃しその歩を緩めて機を伺う姿勢を見せる。

 

媧燐を打ち取るべくその後を追っていた

録嗚未、干央、蒙恬、王賁たちだったが

本陣を攻める五万の軍がそのまま残っている事から

容易に媧燐を追撃することはできなかった。

 

だが、その中で王賁は媧燐の後を追い、

それを見た蒙恬もまた追撃を決める。

 

この時、媧燐軍の兵五千が戦場から

姿を消している事に秦国軍はまだ

気づいていなかった。

 

ついに蒙武の兵が汗明の元までたどり着く。

 

汗明は鼓を鳴らし自ら名乗りを上げると

大きな分銅鎖をハンマー投げの要領で

蒙武に向けて投げつける。

 

蒙武はそれを容易く弾き飛ばし

汗明の前まで歩み出る。

 

二人の将の決戦が始まろうとしていた。

 

 

明かされる戦歴

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蒙武と対峙した汗明は蒙武の武器を見て

剣ではなく大錘という大きな金棒のような

武器を持ち出す。

 

合従軍の総大将である汗明と

秦国軍の要を担う蒙武

どちらが破れても戦況に大きく影響する

一戦が始まった。

 

だが最初の一合で蒙武は派手に吹き飛び

追撃の一撃によって頭部に軽症を負う。

 

汗明は思ったよりも軽いと蒙武を挑発し

それに続くように楚軍の軍楽隊も鼓を鳴らす。

 

汗明は初陣から一度も相手になる敵がおらず

自分が最強であると自負していた。

 

また、趙、魏、韓、斉、秦どの国との戦にも

負けたことがなく、かつて秦国の六将であり

怪力の豪将として知られた王齕でさえも

若き日の汗明にあっさりと破れていた。

 

そのため、汗明は自分が戦うのは強者としての

責務であり、自身を最強と勘違いしている相手に

身の程を教えるためであると語る。

 

 

生まれて初めて

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蒙武と汗明と一騎打ちは汗明が一方的に

攻撃を繰り出す展開になっていた。

 

勢いづく楚軍は蒙武も秦国軍も終わったと

高をくくり始めていた。

 

そんな中、蒙武の放った一撃が汗明を捉える。

 

武器で受けられはしたものの

巨体の汗明を大きく吹き飛ばした。

 

それまで黙っていた蒙武だったが、

汗明に対して高揚していることを語る。

 

そして生まれて初めて全力を出して

戦えることが嬉しいと話すと

汗明に対して今まで相手に恵まれていただけ

とその戦歴を否定一言を浴びせる。

 

汗明は体制を立て直し、武器を構えると

戦いの第二幕が開始する。

 

蒙武の配下たちは死んでも眼の前の敵を

汗明の元へ行かせない覚悟を決める。

 

二人の大将の戦いは激しさを増し、

お互いの武器の破片があたりへと

飛び散るほどに力強くぶつかり始めた。

 

それを見ていた汗明の参謀である仁凹は

蒙武もまた汗明と並ぶ怪物の類であると

評価する。

 

だが、それぞれが背負う格の大きさが

汗明と蒙武では違いすぎるために

蒙武が勝つことはないと断言する。

 

その直後に放たれた一撃によって

蒙武の手首は砕かれてしまう。

 

最強の漢

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汗明の一撃によって蒙武の左手は砕かれ

手首の骨が皮膚から突き出てしまう。

 

片手になった蒙武は汗明の大錘を

受けきれずに顔面に一撃を浴びて

馬上に倒れ込んでしまう。

 

汗明は戦いが終わったことを感じ、

蒙武の配下たちにも動揺が走る。

 

蒙武は朦朧とした意識の中で

昌平君が言っていた言葉を思い出す。

 

それは汗明は間違いなく中華で最強の

部類で蒙武よりも強いが、

それでも自分は蒙武が勝つことを

信じているという言葉だった。

 

そして蒙武はゆっくりと起き上がると

渾身の一撃を汗明に放つ。

 

それを武器で受け止める汗明だったが

支えた右腕の骨を脱臼し、外れた骨が

皮膚の外まで飛び出してしまう。

 

その一撃に汗明本人もその配下たちも

ただただ驚くしかなかった。

 

蒙武配下は歓声を上げ、

蒙武もまた中華最強は自分であると

高らかに宣言する。

 

その頃、蒙武の後を追っていた媧燐軍は

蒙武たちのすぐ背後に迫っていた。

 

一騎打ちを遠目に眺めつつも

媧燐は弟の偃にどさくさに紛れて

蒙武の心臓を貫いてこいと命令する。

 

汗明が黙っていない事を承知のうえで

総大将が殺されることで戦の大勢が

読めなくなるリスクを懸念したためである。

 

それを見ていた蒙恬もまた蒙武暗殺を

阻止するために動き出す。

 

深手を負った二人の大将は互いに限界を迎え

いつ決着がついてもおかしくない状況へと

突入していた。

 

"至強"決す

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限界間近の汗明、蒙武の大将戦には

媧燐が送り込んだ刺客が迫り、

それを阻止するために蒙恬も動くという

複雑な状況を見せていた。

 

その結果を暗示するように函谷関で

指揮を取る蒙驁の甲冑に亀裂が走る。

 

そして汗明と蒙驁は大きく振りかぶり

全力一撃を相手に向けて繰り出した。

 

武器と武器が激しくぶつかると

片方の武器に亀裂が入り

そのまま砕け散ってしまった。

 

砕けたのは汗明の武器で、

ここぞとばかりに蒙武は振りかぶり

トドメの一撃を振り下ろそうとする。

 

だが、蒙武の背後には槍を構えた

偃が迫っていた。

 

偃が構えた槍は蒙武に届く前に

横から割って入った蒙恬によって

阻止されてしまう。

 

偃は先に蒙恬を討とうと槍を振るう。

 

蒙恬はそれを受け止めるが

馬ごと吹き飛ばされる形で

汗明と蒙武の間に割って入る形になる。

 

武器を失った汗明は背負っていた剣を抜き

蒙武の一撃に備えるところだった。

 

だが、突如割って入った邪魔者に怒りを覚え

先に蒙恬を切り伏せてしまう。

 

倒れゆく息子を見た蒙武は武器を振り下ろし

それによって汗明の武器が砕かれ

同時に頭の四分の一が吹き飛んでしまう。

 

そして続く一撃によって汗明の頭は

粉々に打ち砕かれてしまった。

 

 

俺の倅

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春申君と李牧がいる合従軍本陣まで届く

大きな歓声が鳴り響いた。

 

それは趙軍と戦う飛信隊の元にも届き、

信は秦国軍の誰かがでかい功績を挙げたと

予想をする。

 

だが、そんな信の甲冑にも亀裂が走り

不吉な予兆を報せていた。

 

汗明を討ち取った蒙武の周囲では

仇討ち燃える汗明の部下が群がり

また、倒れた蒙恬の周囲にも配下たちが

駆け寄るという大混戦の状態になっていた。

 

肩口から胸元にかけて大きく切られた

蒙恬は力なく横たわり、配下たちは

蒙武に言葉をかけてほしいと懇願する。

 

だが、蒙武は勝手に持ち場を離れた蒙恬に

かける言葉はないと言い放つ。

 

非常過ぎる蒙武に配下たちは反論するが

蒙武は自分の息子はその程度で死なないと

言い切ると汗明配下を打ち取るべく

乱戦の中を突き進んでいく。

 

その言葉を聞いた蒙恬もまた無意識に

手に力を込めて蒙武に応える。

 

その後、蒙武軍は汗明が率いていた楚軍を

散々に蹴散らし、再起不能に陥るほどの

大打撃を与えた。

 

これによって蒙武と汗明の戦場の勝敗は

完全に決したことになる。

 

この報告を受け、咸陽では吉報に湧き

合従軍本陣では春申君が激しく取り乱すという

それぞれの反応を見せた。

 

 

勝利は目前

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汗明討ち死にの報せが全戦場に届くと

戦況は一変して秦国軍が盛り上がり始める。

 

蒙武軍が別な戦場へと押し寄せることで

合従軍は悠長に構えることができなくなり

それによってそれぞれの陣営に焦りと

精神的なゆとりが生まれたからである。

 

その頃、合従軍本陣では春申君が怒りに震え、

自ら楚軍を率いて戦うと李牧に訴えていた。

 

李牧は敗戦の地で何をしてもうまくいかないと

春申君を制しつつ、自身の側近であるカイネを

函谷関攻めに加え短時間のうちに陥落させようと

指示を出そうとする。

 

だが、そこへ媧燐からの急報が届き

勝利は目前であり函谷関をくぐる準備を

するようにとの言葉が告げられる。

 

突然のことに驚く二人だったが

媧燐軍はすで蒙武の戦場から撤退をしていて

騰の本陣を攻めていた部隊も退却させていた。

 

項翼と騰の戦いも決着がつかぬまま

矛を収める形になった。

 

楚軍も媧燐の行動が理解できておらず

配下たちはどういうことか媧燐に

説明を求めていた。

 

媧燐は戦に勝つ方法が敵将を

討つことだけではないと説明する。

 

そして白麗が媧燐の部隊五千が

姿を消している事に気づくと

媧燐は戦象から始まった戦いの流れが

全てを欺くための作戦であったと話す。

 

そして戦場を離れた五千の部隊は

すでに函谷関の裏へと到着しており

城門を開けるべくその刻を待っていた。

 

ー29巻完ー

 

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