キングダム32巻

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目次

 

 

巡回の夜

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二日目の夜も蕞の城を取り囲む趙軍は

大きな歓声を上げていた。

 

作戦の指揮を取る河了貂、蒙毅ら軍師たちは

初日と同様に実際には攻めてこず

兵を休ませない作戦であると判断し

民兵たちに休息を取るよう指示を出す。

 

しかし、敵の歓声によって兵たち眠る事ができず

疲労の蓄積が翌日以降に響く事が懸念される。

 

河了貂は軍師として初日の夜の夜襲が偽りと見抜けず

また、昼間の戦闘で敵将であるカイネを助けるなど

秦国軍にマイナスになることしかできていないと

自分を責める。

 

そんな中寝付けない民兵たちを労うべく政は一人で

城内を巡回していた。

 

民兵たちは突然の大王の来訪に驚いてしまうが

政は一人一人の手を握り、肩に触れて誠心誠意

ねぎらいの言葉をかけていく。

 

そして最後に一言明日の夜も語らおうと声をかけ

また次の場所へと先を急ぐ。

 

ほんのわずかやり取りだったが、王自らが民に声をかけ

優しく振る舞う姿に感動した兵たちは士気を高めつつ

無理をしてでも翌日のために休もうと務めるのだった。

 

政が次に回ったのは東壁にいる元麃公兵の元だった。

 

麃公兵は大王が自ら訪れたことを訝しがりながら

政の言葉に耳を傾ける。

 

政は主を失った悲しみを懐きながら戦うことは

一層の疲労を伴うが、明日以降も宜しく頼む

と声を掛ける。

 

麃公兵はそれに対し、自分たちは決死隊であり

主と共に死ねなかったことからこの戦いを死地として

血を流し尽くす覚悟であると返す。

 

政はそれを許さず、生き延びたのは天が蕞を守る

という役目と麃公の生き様を後世に伝える役目を

与えたためであると話す。

 

その言葉に胸を打たれた麃公兵は考えを改め

この戦いを生き抜く事を決意する。

 

政はそのまま北壁と西壁を回って各兵たちを労い

翌日以降も戦うための力を与えた。

 

その姿を見ていた信は昌文君に対して

政は自分が予想していたよりもずっと大きな

人物であったと感想をもらす。

 

そして戦経験の長い昌文君に何日耐えれば

この戦は終わるのかを問う。

 

昌文君は根拠はないといいつつも

咸陽を出る時に八日耐えれば勝ち目が見える

という算段を立てたことを話す。

 

ただ、三日目さえもつかわからない状況で

奇跡を五度続けなければいけない状態に

信は聞かなければよかったと悪態をつく。

 

それでもまずは三日目を耐えしのぐべく

戦に備えるのだった。

 

 

予想外の変化

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三日目が開戦すると趙軍は一気に城を落とそうと

猛攻を仕掛けてくる。

 

南壁では信が周囲に指示を出しながら戦うが

田有と竜川が戦線を離脱したことと、

飛信隊の兵も疲労によって動きが鈍くなっていた事で

いきなり苦戦を強いられることになる。

 

さらに民兵の疲労は大きく、序盤は一気に押され

そのまま崩されそうな気配を見せる。

 

指揮官たちも兵の様子に諦めの色が浮かべるが

政だけは民兵を信じて見守り続け、

そして遂に民兵たちは覚醒を始める。

 

一度倒れた者も立ち上がり次々と敵に襲いかかる。

 

重症を負った者も敵を道連れにして死のうと

驚異的な粘りを見せ、敵を押し返し始める。

 

この現象は四方全ての城壁で起こり、

あまりの異常事態に李牧も蕞の城に対して

恐怖と困惑の表情を浮かべる。

 

そしてそのまま三日目の戦も終了し、

政は再び兵の元を回りねぎらいの言葉をかける。

 

 

その姿を遠くから見ていた蒙毅と介億は

自分たちの大王がどういう人物か知らなかった

と話し感心する。

 

そして唯一この戦におけるアドバンテージが

李牧は政の存在に気づいていないことだと話す。

 

四日目からは負傷兵も戦線復帰をし始めるため

この戦はもつれる可能性が出てきたと

介億は分析する。

 

その言葉どおり四日目も陥落することなく

戦闘が終了する。

 

当初は民兵たちを侮っていた趙軍も得体の知れない

何かと戦っているような気味の悪さを覚え始め

李牧もまたこれほど堅固な理由を考える。

 

たとえ王騎であっても民兵の士気をここまで高める事は

不可能であることから、武将以外の力ということで

王の可能性も検討するが、王が戦地に出向く事が信じられず

その仮説に確信を持てずにいた。

 

そして李牧はこれまで歓声だけに止めていた夜襲を

本格的な攻撃へと切り替える。

 

疲労で寝る者が出ていた秦国軍にとっては

最悪の状態だったが、それでも陥落せずに

持ちこたえる事ができていた。

 

戦は遂に五日目に差し掛かる。

 

ここで遂に民兵たちに限界が訪れ、
何もしていない状態で倒れる者が出始める。

 

それを見かねた政は自ら剣を携え城壁に立って

兵を鼓舞し始める。

 

 

秘密の露見

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限界を迎え次々と倒れていく兵たちの中に

政が割って入り、腕を掴んで立ち上がらせる。

 

その姿を見た信は驚きのあまり政に声をかける。

 

周囲の兵たちはその声で大王が戦場に来た事を知り

怪我をさせないようにと再び士気を高めて

立ち上がり始める。

 

王が自ら前衛に立って士気を高める事が

政にできる最後の手段だった。

 

それが功を奏し民兵は奮い立つが、

政は楽に死なせない事を心の中で詫びる。

 

趙軍の指揮官はその様子を見て政が兵の士気に

大きく関わっている事を知り、周囲の兵を連れて

政の襲撃へと向かう。

 

親衛隊がそれを阻むが、運悪く飛来した流れ矢により

政を守る壁は突破されてしまう。

 

趙軍の指揮官は政の剣術によって腕を切られるが

残った片腕で政にしがみつくと周囲の兵に

攻撃をするよう命じる。

 

近くにいた趙兵は政に切りかかり、

剣で受けられつつもその刃を政の首筋に押し当てる。

 

政の首からは血が流れ、その場に崩れてしまう。

 

その姿を見た民兵たちはとっさに大王と叫んでしまい

趙軍に政の存在が知られてしまう。

 

指揮官はすぐに政の討ち取るように命じるが

急遽かけつけた信によって政の周りにいた趙兵は

全て切られてしまう。

 

だが、政も意識を失いその場に倒れ込んでしまう。

 

 

昌文君の提案

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敵兵の攻撃によって首筋に怪我を負った政は

その場に倒れ込んでしまう。

 

信はその様子に慌てて声をかけるが、

政はすぐに目を覚まし立ち上がると

無事であることを報せ士気の低下を防ぐ。

 

だが、政の情報は趙軍全体に知られてしまい

李牧も蕞の城の強さに納得する。

 

それと同時に民兵を指揮して小城を不落の城に

変えたその才に李牧は一人焦りを覚える。

 

そしてここで政を捉える事を決め、

咸陽を攻めるために温存していた予備兵も

全て戦場に投入するよう指示を出す。

 

蕞の四方は趙軍によって完全包囲され

誰一人逃さないよう布陣が敷かれる。

 

その後、蕞の民兵は次々と倒れていき

予備隊も使い切った上に各城壁の将たちも

前線に立って兵を鼓舞するなど総力戦となる。

 

昌文君が守っていた西壁は一時敵が城壁の

裏側にまで回りかけたが日が落ちた事で

混乱の中で政を取り逃がす事を懸念した李牧が

兵を退かせた事で陥落は免れる。

 

そしてその夜、政の負傷が各城壁に伝わり

中には死亡したという誤報も流れたことで

民兵たちの士気は著しく低下してしまう。

 

本陣でも士気の低下によって翌日の陥落は

免れないと考えた昌文君は政を脱出させる事を

提案する。

 

信は民兵を焚き付けて最後は逃げるという判断に

異論を唱えるが、昭王にもできないことを

やってのけた政を死なせるわけにはいかないと

昌文君は意見を曲げない。

 

介億もそれに賛同するが、問題は政本人が

脱出に賛同するかであると言うと

昌文君が信にその役目を任せる。

 

信は政の寝所を訪れ世間話をしたあと

昌文君の提案を伝える。

 

だが、政はそれを拒み信も何も言わなかった。

 

政は信が説得をしない事を訝しがるが

信は昌文君が政の事をわかっていないと

愚痴るだけでそれ以上何も言わなかった。

 

 

六日目の檄

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脱出の提案を政が拒んだ事を信はそのまま

昌文君に報告する。

 

説得できなかった事に昌文君は怒るが

信は政が諦めない以上自分たちもそれに

付き合うだけと昌文君に告げる。

 

六日目の朝は全ての兵が意気消沈し

惰性で配置にはつくものの戦意は

完全に消失していた。

 

 

それとは逆に趙軍の本陣では李牧が開戦と同時に

総攻撃を仕掛け速やかに城を攻略し政を捉える

ための準備を念入りに行なっていた。

 

城の包囲も二重になり、誰も生かして外に

出ることはできない状態だった。

 

そして六日目の戦いは開戦しすぐに各城壁で

民兵たちが押され始めたという報告が入る。

 

さらに各地で拠点を作られ乱戦状態に入ると

司令室にいる軍師たちは徐々に絶望の色が

隠せなくなってくる。

 

そんな中、突如大きな歓声が湧き上がる。

 

そこには甲冑に身を包み騎馬した政と

親衛隊たちが城壁の上をまわっていた。

 

重症と聞いていた政が姿を表した事で

再び兵の士気は回復する。

 

敵に存在を知られた事で逆に隠す必要が

なくなったために、堂々と兵の前に姿を表し

鼓舞するための材料としたのだった。

 

だが、政は出血多量により限界寸前で

顔色の悪さは女ものの化粧でごまかしていた。

 

それを知っていたのは護衛の兵と信だけであり

信はその政の姿に応えるべく飛信隊に対して

檄を発し、一気に戦況を覆そうと奮戦する。

 

 

出し尽くす

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政の出現によって秦国軍は再び息を吹き返し

全力で戦い始める。

 

趙軍も次々と部隊を投入し四方から攻め立てる。

 

蕞は政の鼓舞と介億の采配によって

陥落を免れていた。

 

介億が守る北壁は比較的敵の攻撃が薄く

余力を残していたので、それを東壁と西壁に

援軍として送っていた。

 

ただ、南壁だけは対面にあるために援軍を送れず

そこだけは飛信隊の力頼みになっていた。

 

飛信隊は隊長である信が獅子奮迅の働きを見せ

百将たちもそれに続いていた。

また、戦線を離脱していた田有と竜川の二人も

復帰したことで陥落を防ぐ事ができた。

 

趙軍の大将龐煖は容易に陥落しない蕞に興味を持つが、

自ら城壁に上がろうとはしなかった。

 

そして六日目の戦も終わりを迎える。

 

城壁の上では力を出し切った信が力なく

座り込んでいた。

 

そこへ政が訪れ信に六日目が終わった事を告げると

安心した政はその場に崩れ落ちてしまう。

 

河了貂はその場で手当をすることにし、

政も体力がもたない事から巡回はせずに

信の傍らで共に休むことにする。

 

飛信隊の兵たちも信の傍らに居続けるが

六日目の戦いで半分の兵がやられたことを受け

七日目を戦えるのかという心配を始める。

 

それに対して信は奇跡を信じるかと問い、

今はそれを信じて戦えと兵を元気づける。

 

その後、信と政はしばらく語り合い

皆その場で眠りについた。

 

そして"最終日''となる七日目を迎える。

 

 

開く城門

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七日目は蕞の戦いだけでなく

合従軍と秦国の戦いが終曲を迎える最終日となる。

 

李牧は七日目で決着をつけるべく、

開戦から全力で蕞を攻め立てる。

 

秦国軍の兵は少なく、士気だけでは

防ぎきれないほど劣勢な状態になっていた。

 

そしてすぐに昌文君が守る西壁が崩され

ついに趙軍が城壁の裏手に回り、

城門を開門してしまう。

 

趙軍は一気に城内へとなだれ込み始め

各城壁が次々と開門される。

 

城内には立ち上がれない負傷兵しかおらず

戦える兵は城壁の上からその様子を

ただ眺めているしかなかった。

 

民兵たちは城が陥落した事に落胆し涙を流す。

 

河了貂や飛信隊の百将たちも涙を流す中、

信だけは遠くを見据え奇跡が起きたと告げる。

 

その時、蕞の場外には秦国と同盟を結んでいる

山の民の軍勢とそれを率いる楊端和が迫っていた。

 

 

来ぬはずの援軍

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五日目の夜、負傷した政の寝所に信が訪れた際、

政は開戦前に山の民に対して援軍要請をしていた

事を信に話していた。

 

しかし、楊端和たちは遠征のために出払っており

言伝を頼んだものの、それが楊端和の耳に届くか

届いたとしても合戦の最中、全てを放り出して

援軍に駆けつけてくれるかはわからなかった。

 

それが昌文君の話した八日しのげば勝てる

という話しの根拠だった。

 

政も山の民の援軍が援軍に来てくれる事を

信じてはいたが、七日で来てくれた事に

深く感謝をする。

 

李牧はいち早く山の民の援軍に気づき

兵たちに備えるよう指示を出すが、

戦いが終わったと安堵した兵たちの動きは遅く

陣形を整える前に攻撃されてしまう。

 

最初に攻撃を受けたのは城を包囲する兵で

背後から襲撃をされてあっけなく崩されてしまう。

 

その様子を城壁から見ていた両軍の兵は

初めは何が起きているのかわからなかったが、

秦国軍が援軍が駆けつけた事を広めると

一気に活気に溢れる。

 

昌文君もその報せを受け、山の民の心意気に

深く感謝し涙を流す。

 

 

破格の加勢

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司令室にいた軍師たちも山の民の援軍に驚いていた。

 

政は黙っていた事を詫つつ、来るかわからない援軍を

頼りには出来なかったことと、情報漏えいを防ぐために

あえて黙っていたことを伝える。

 

その結果、李牧は対策をすることが出来ず、

完全に虚を突くことに成功する。

 

李牧は長い間趙国の国境沿いで騎馬民族と戦ったために

異民族が援軍に来る事を想定できなかった事と

政が成蟜の反乱を公には出さずにいたことで

山の民の助力があったことを知らなかった。

 

李牧は意図的な情報統制によって隠された情報が

あったことを悟り、全てはなるべくしてなっている

と感じ始める。

 

そして山の民の猛攻を受けて趙軍が崩れ始め

敵が本陣に迫っているという報せを受けた事で

李牧は退却を考える。

 

現状を見れば退却こそ最善の策だったが、

それは合従軍の敗戦することにも繋がるために

容易には決断ができなかった。

 

その間にカイネら周囲を守る兵たちが

盾になるべく敵に向かい出撃を始める。

 

その姿を見た李牧は全軍に退却を

命令しようとするが、その時龐煖が出陣し

山の民の一団を一気に吹き飛ばす。

 

 

行く理由

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龐煖は山の民に向かい突撃すると

ぶつかった兵たちを次々と切り伏せていく。

 

それを見た楊端和は怒り、龐煖に向かって

馬を走らせ始めるが、その前に馬で駆けつけた

信によって制されてしまう。

 

信が城を離れる前に飛信隊の古株たちは

龐煖と戦わせないように信を説得していた。

 

しかし、信は自分が天下の大将軍になるために

避けて通れないと説得し、龐煖の元へ駆けつけていた。

 

そして信は龐煖と対峙する。

 

龐煖は一喝するとその威圧によって城壁の上にいた

兵までが震え上がってしまう。

 

信の愛馬も恐怖のあまり冷静さを保てず

暴れ始めるが、信は自分と麃公からもらった

大将軍の盾がついているからと馬をなだめ、

いつも通り何も恐れず前へ進むよう指示を出す。

 

 

軽い

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信は愛馬と共に龐煖に向けて駆け出すと

二人が武器を交えるよりも先に馬同士が

ぶつかり合う。

 

龐煖の愛馬は蹄で信の愛馬の脚を砕き、

信の愛馬は相手の首筋に噛み付いて

そのまま横薙ぎに押し倒す。

 

信の武器は剣であり、間合いの長い矛と

戦うには不利であった。

 

信の愛馬はそれを悟ったかのように

相手の馬を潰して地上戦へと龐煖を

引きずり落とすのだった。

 

だが、地上に下りた最初の一撃は龐煖が

繰り出し、信はそれを剣で受けるものの

肋の骨を砕かれてしまう。

 

そのまま信の体は地面に叩きつけられながら

遥か後方へ吹き飛ばされる。

 

その姿を見た飛信隊の面々は信の元へと

駆け寄り声を掛ける。

 

信はゆっくりと立ち上がると龐煖が

麃公に手こずり、王騎に勝てなかった理由が

少しわかったと話す。

 

以前、元趙国三大天の廉頗の一撃を受けた信は

大将軍が放つ一撃の重みを知っていたが、

龐煖の攻撃からはその重さがないと言う。

 

龐煖はその言葉に苛立ちを感じつつも

信の姿を見て過去に二度戦った事を思い出す。

 

自分と三度も戦う相手は珍しいと言いつつ

四度目はないと言い切り、本気で信に攻めかかる。

 

信は同じ攻撃を受けると立てなくなると感じ、

一つ作戦を考えながら龐煖に向けて走り出す。

 

ー32巻完ー

 

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